今回は、クラスでもてなす側と客に分かれて茶会を行いました。
11月のはじめには、「炉開き」と、「口切り」と呼ばれる行事があります。炉を開けて火を入れ、茶壺の口を切ってその年の5月に摘んだ新茶をいただくおめでたい行事とされており、茶の一年の始まりとして「茶人の正月」とも呼ばれているそうです。
今回は、開炉のころの茶会を体験しました。床の間には茶壺が飾ってあったり、亭主がお点前をしてお客の前で道具を清めたり、定まった手順で茶を点てたり、いろいろな種類の茶碗があったりと、いつもの授業とは違った雰囲気がありました。
床の間には、「青松多寿色」と書かれた掛軸があり、青々とした松が変わらぬ緑を保ち続けていることはまことにおめでたい、という意味があるそうです。
また、「三友」という銘の黄色・ピンク・緑の三色でできたお菓子を頂きました。三友とは、「松竹梅」のことで、寒さの厳しい冬の風雪や、寒冷に耐えて色を変えず、静寂閑雅で気品の高い清澄な趣を持つことから人々は松竹梅に自然における自らの理想とする姿を見出したとされているようです。色々な所から「おめでたい」という意味があることを知ることができました。
今回は茶会ならではの緊張感があり、相手への礼儀や心遣いが大切ということを深く考えさせられました。また、掛軸や、お花、お菓子、お点前の道具一つ一つに意味があり、お客を楽しませる要素となっていました。茶会は、人と人が礼儀や心遣いを行うことで、言葉だけでなく、態度でも相手へ気持ちを伝えることのできる場なのだと思いました。
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