和洋国府台女子中学校高等学校

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数学公式を暗記するだけではない「なぜ?」を考える

2019.05.22

数学(算数)と聞くと苦手意識を持つ人が多いようです。公式を覚えて、その公式に当てはめて問題を解いていくというイメージがありますが、和洋国府台女子が求めている数学力はちょっと違います。

どのような数学力を養いたいのか?

この問いは、中学校からの数学授業だけでなく算数の入学試験にも通じる想いが秘められています。数学科高橋先生に、学校で利用された定期試験をもとにしながら話を伺いました。

どのような数学力を養いたいのか?

学校ではどのような定期試験が課されているのですか?
中学1年生の期末試験で利用された問題の一部を紹介しますね。 問:下の図のように、碁石を並べて正方形を作っていく。正方形を5個作るとき、碁石は何個必要か答えなさい。
なんだか複雑そうですね。
そんなことないですよ。実は小学生でも解くことができる問題です。
碁石を全部数えればいいということですか。
そういう力技ではないですよ。確かに数えればいつかは正解にたどり着きますが、正方形の数が増えていけばいくほど、時間もかかり間違いも増えてしまいます。
それならば、どういう方法がありますか?
順を追って考えましょう。まずは正方形1個だと碁石はいくつ必要ですか?
これはすぐに数えられます。12個です。
その通り。それなら正方形2個だと?
24個。
いいえ、重なっているところがあるので……。
あ、そうか。重なっている4個を引いて
        24 - 4 = 20

ですね!
その通りです。そうすると正方形3個だと?
まずは正方形の数を数えて 12 x 3 = 36 そして、重なっている箇所が2ヶ所あるので
        4 x 2 = 8
        36 - 8 = 28

ですね。
その通りです。正方形の数と碁石の個数を下のように表にしていくと、気づくことがありませんか?
        1        2        3        4        5
        12      20      28

えっと、正方形一つ増えるごとに碁石は8個増える!
その通り!ということは、正方形4の場合、正方形5の場合と表にしていけば、碁石の数も簡単に求められます。正方形4個の場合は
        28 + 8 = 36

正方形5個の場合は
        36 + 8 = 44

8を足していくだけなので、簡単です。
そうですね。このように規則性をつかめば、複雑な物事もシンプルに考えることができます。なお、今回の問題を一般化すると
        8n + 4 ( n = 1, 2, 3...)

という式になります。しかし、この式を覚えることに意味はありません。単なる公式暗記ではなくて、「なぜ」そうなるかを考えることが大事です。なぜその式や答えになるのか、そうあらわすことでどんな良いことがあるのか、物事の特徴をとらえる重要性をしっかりと授業で学んでいます。そして、このような数学的な見方、考え方は社会生活でも将来役に立つと思います。
法則がわかると、面白くなっていきますね。今日はありがとうございました!
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