【英語】リアルとつなげる休校中の学習支援
2020.06.18
臨時休校により、ほとんど校舎に足を踏み入れることなく、学校生活をスタートすることになった高校1年生。休校期間中でも、生徒たちが少しでも本校の目指す英語の学びを体感し、「早くリアルな授業が受けたい」と思ってほしいと考えました。生徒も教員もはじめてのオンライン授業。目標としたのは英語に対しての興味を持たせること。その取り組みの様子をレポートします。
“オーセンティックな”学習支援で英語学習を身近なものに!
和洋ラウンドシステムのエッセンスの1つは、身近なことと関連させて英語を学ぶことです。テストのためだけではなく、英語を聞いてわかるようになるため、英語で自分の言いたいことを伝えられるようにするために英語を学ぶ、そんな生徒に育ってほしいと私たちは考えています。
では、どうしたら、オンラインで生徒たちのそのような気持ちを育むことができるでしょうか。鍵は最近よく聞かれるオーセンティックな学びです。
オーセンティックな学びとは、教育目的に作られた教科書のようなものではなく、本物のニュースやテレビ番組・新聞・インターネットの情報など、リアルな生活の中にある”本物の素材”を使う学びのことです。
たとえば、最初のレッスンのテーマは、 “What is a symbol of Japan?”。生徒たちは、まず教員が作った動画を通して、自分自身にとっての”日本の象徴”を考えます。その後、海外で作られた日本を紹介する英語の動画を視聴しました。
この活動の目的は、日本での生活が当たり前ではないということへの気付きです。実際に課題に取り組んだ生徒からは、
「自分たちにとって当たり前のことが実は海外の人から注目されていることを知った」
「様々な視点から日本のことを考えるきっかけになった」
などの感想が寄せられました。
オーセンティックな(本物の)英語に触れることの良さは、生徒たちが、教室で学んでいることと社会がつながっていることを強く意識することができることです。実際の日本文化紹介で利用されている英語を理解することを通して、生徒たちは英語をツールとして使える楽しさも実感したようでした。
生徒たちの主体的学びを促すICTの活用
ICTスキルがあると学びの幅がぐんと広がります。高校1年生は、全員ChromeBookを持っています。主体的に英語学習を進めるツールとして、Chromebook上で学習アプリも活用してほしいと考えています。
休校期間中は、洋楽を聴きながら語彙や文法を学ぶことができるアプリや、単語をゲーム感覚で覚えることができるアプリなどを活用し、生徒たちがアプリを使って学習できる機会を作りました。
多くの生徒たちは、前述した動画と同様、英語を聞いたり使ったりする”オーセンティックな”体験を通して、英語の学習へのモチベーションを高めたようです。新しい世代の生徒たちには、既存の学習法だけでなく、様々なツールを活用する力も身に付けてほしいと思います。
自律学習者を育てるリフレクション(振り返り)
最後に、休校中の学習支援では、毎回の学習のリフレクションを大切にしました。学習を終わらせるだけでなく、その学習を通して何を学んだか何を感じたか疑問点は何か”など、生徒が自らの学習を振り返る機会を必ず作るようにしました。
また、英語科通信で生徒たちのリフレクションを紹介することにより、授業での学び合いを紙面上でできるようにしました。
教員は、生徒自身が”自ら考え学ぶことができる”自律学習者として育つことと、生徒同士が学びあえることをサポートしていきたいと考えています。
休校期間中の学習支援を通して、オンラインの学びで大切にしたいことは、実は本校の英語教育で大切にしたいことだと実感しました。
先週から授業が再開し、学校に再び生徒たちの笑顔が戻ってきました。これからは、リアルな授業を通して、生徒たちをサポートしていきたいと考えています。