書道の基礎「臨書」(りんしょ)について
2020.05.21
書道は芸術です。
そして日本文化の1つです。
流派や師弟関係をはじめとする「道」の世界はより書道を日本文化らしく魅せるでしょう。
しかし高校で扱う内容は「道」の世界の一歩手前である基礎基本が中心です。
今回は書道の基本となる「臨書」(りんしょ)についてお話しします。
では臨書の説明の前に次の「風が吹く」という一文を見てください。
●「書写」的に楷書と行書で書くとこのような感じ。
きれいに真っ直ぐ書けていますね。
では上の作品は「どんな風が吹いていますか?」
・・・答えに少し困ってしまうのではないでしょうか。
●ではこれはどんな風が吹いていますか?
●これは??
●これは???
同じ言葉だけど違う「風」を感じることが出来ましたか?
これが「書道」。文字にイメージを乗せる、個々の感性を表現する芸術なのです。
これらの表現を自分のものにするためのはじめの一歩となるのが「臨書」(りんしょ)です。
音楽には名曲があり、絵画には名画があるように、書道にも名品と呼ばれる作品があります。「臨書」は歴代の書道の名品とされる作品(=古典)を手本としてよく観察し、そっくりに真似て書くことを言います。
例えば「優しいイメージで作品を書きたい!」と思ったら、優しいイメージの古典を選び臨書します。
すると「優しい」筆使いの仕方を学ぶことができます。
更に「強いイメージで作品を書きたい!」と思ったら、強いイメージの古典を臨書すると自分の思う強い筆使いを習得することが出来ます。
そうして臨書した古典の数だけ筆使いの技法が増えていき、書道上達への道が開けていくのです。
また臨書することにより筆使いだけではなく、余白の取り方や文字の構え方などじっくりと鑑賞することにより感性を磨くことができます。