和洋国府台女子中学校高等学校

教科

芸術リコーダー上達への道 (5) 「背景」

2019.05.30

リコーダー上達への道「千絵とリコーダー」
【これまでのお話】
(1)「出会い」
(2)「2つの課題」
(3)「音を出す意味」
(4)「合わせるもの」

村島先輩のピアノ伴奏で曲の合わせをしている千絵さん。
「トントン・・・ガチャ」
音楽室の扉を開ける音がします。

堀:!!
村島:あっ、先生!
こんにちは。会議が思いのほか早く終わったんだ。村島さん、堀さんのレッスンをありがとう!・・・堀さんどうだった?
堀:村島先輩にチューニングについて教わりました。「複数の楽器で演奏するときに大切なこと」の考えを深めるいい機会になりました。・・・先輩、ピアノすごく上手で驚きました!そして先輩と合わせて演奏するのが、とても楽しいです!
村島:(*ˊᵕˋ*)
それはよかった!じゃあ、せっかくだから聞かせてもらおうかな。
堀:はい!~♪
村島:~♪
ん~!音程もピアノとあっているし、前回話した「音楽の流れ」も意識できているね。OK、OK。今日はこれで充分。
堀:わかりました!ありがとうございます。・・・村島先輩ありがとうございました!
村島:いえいえ!
堀:・・・ところで先生・・・質問があるのですが・・・
何かな!?
堀:今、先輩と合わせをした「主は冷たい土の中に」についてなんですが・・・この曲、タイトルは暗い感じなのに、なぜ音楽は明るい感じなんですか?
・・・ふむ・・・いい質問だね!・・・少し回りくどくなるけど・・・この曲を作詞・作曲したスティーブン・フォスターは、どこの国の人だと思う?
堀:!?
村島:モーツァルトやベートーヴェン、ショパンとか、私の知っている作曲家はヨーロッパが多いイメージだな~
堀:・・・!J.S.バッハもドイツの作曲家だって、ピアノの先生に聞いたことがあります。
村島:・・・ヨーロッパの方ですか?
実は、フォスターは19世紀半ばのアメリカを代表する作曲家なんだ。
村島:アメリカ!・・・そうなんですね。意外でした。
多くの人に愛される、親しみやすい歌を多く作曲したという印象を、先生は持っているね。・・・じゃあ話は変わるけど、君たちの家にお手伝いさんはいる?
堀:えっ、お手伝いさんですか・・・私の家はいないです。
村:私の家も(笑)。周りでも聞いたことがないですよ!
まぁ、日本では珍しいことかもしれないね。だけど、フォスターが活躍していた当時の、アメリカ南部では珍しくはなかったんだよ。なぜかな?
村島:当時って1800年代のアメリカですよね・・・!!・・・以前、1800年代のアメリカが舞台の、実話をもとにした映画をみました・・・奴隷・・ですか
堀:!
そう・・・実はこの曲は奴隷と関係してるんだ。皆からとても慕われていた主人が亡くなり、奴隷として働いていた黒人たちが、主をしのんで悲しむ内容なんだ。・・・フォスターがアメリカ南部を旅行したときに、その様子を見かけて作ったものらしい。
堀:・・・奴隷というと、ひどい扱いをされるイメージがあります。
村島:映画ではひどい扱いだったよ・・・慕われる主もいたんですね。
そのようだね。・・・亡くなった主を慕う奴隷たちの想い、それに心打たれたフォスターの想いが、この曲には詰まっているように、私は感じるんだ。
堀:この曲の優しいメロディーは、主との温かな思い出を表しているんですかね。
そうかもしれないね。
村島:・・・せっかくなので、原曲の英語の歌詞も調べてみます!
それはいいね!
・・・作品には背景があるんだ。時代的な背景、文化的な背景、そして作者の背景がね。
堀:・・・作品の背景
作品を通じて、それらを感じ学べること、時代を越えて人々の感性や心に触れられることは、素敵だと思わないかい!
村島:素敵ですね!・・・この曲のイメージというか・・景色に奥行きが生まれ、広がった気がします!
堀:この曲をどのように演奏すればよいか、さらに深まりました!

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