国語力はすべてに通じる大事な力であることに異論は誰にもないはず。今日は和洋国府台女子の国語教育について、中澤先生にインタビュー。国語教育に秘めたる想い、それが入試問題にどう反映されているのか、詳細を聞いてみました。
司会者:早速ですが、国語教育ではどのようなことを重視されているのでしょうか。
大事なことはたくさんありますが、今日は発想力についてお話ししたいと思います。
はい、これからの時代では知識を吸収するだけでなく、すでにある知識をもとに自分なりの考えを論理的に組み立てる力が求められます。
司会者:私が生徒だった頃は、知識詰め込み型で教育を受けました。
知識詰め込み型というと否定的に聞こえますが、知識も大事ですよ。知識は基本です。知識をしっかりと保持し、それを基にして物事を正確に理解するのが大前提です。更に「なぜだろう?」と疑問を持ち、今まで自分が蓄えてきた知見と組み合わせて考え、新しい発想を持ってほしい。その上で、論理的に組み立てて発言するという練習を授業では大切にしています。
司会者:知識をもって理解→発想したことを論理的に組み立て→発言ということですね。
受験生に求めたい力
司会者:受験生にはどの程度のことを問うのでしょうか。
まずは発想力の前提となる力を確認したいと思います。基礎となる知識、例えば漢字を正確に理解しているかを問います。昨年度の中学入試では次のような漢字を問いました。どれも小学校で習う漢字で基礎的ですが、基礎定着をしていることが大事です。
中学入試:次の傍線部のカタカナを漢字に直しなさい。送りがながあるときはそれも書くこと。
1 本のバイバイをする。
2 スピードがハヤマル。
3 気持ちをフルイ立たせる。
4 タンニンの先生。
5 アヤマリを正す。
司会者:高校入試ではどのような漢字を聞いていますか?
次の通りです。
高校入試:次の傍線部のカタカナは漢字に直し、漢字には読みを記しなさい。
1 ホンヤク文学を読む。
2 厳正にシンサする。
3 光をサエギる。
4 甚だしく異なる見解。
5 車の流れが滞る。
司会者:漢字以外にはどのようなことを問うのでしょうか。
簡単に言えば読解力です。入学試験という限られた時間の中で、書かれている内容をどのくらい正確に読み取ることができるかを問います。
司会者:先の話に合わせると、『物事を正確に理解する力』ということですか?
その通りです。読解はとても大切な力です。特に、和洋国府台女子の問題では、問1から順番に解いていき、最後まで解答することで、本文の主題が理解できる(つまり読解できる)ような問題構成になっています。ですから、和洋国府台女子の問題で練習すれば、読解力を磨く手助けにもなります。また、大学入試改革を見据えて、記述問題も近年増やしています。この話は奥が深いので、またの機会にお話します。