和洋国府台女子中学校高等学校

お知らせ

第74回卒業式を挙行いたしました

2024.03.08

令和6年3月6日に第74回卒業式を挙行いたしました。
生徒は凜とした姿で式に参列し、厳粛に式を執り行うことができました。

学校長式辞


卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。保護者の皆様、ご卒業おめでとうござ
います。高校 3 年間と言うよりは、小学 1 年生から始まった義務教育 9 年間+高校 3 年間
はどんな社会に出ても羽ばたいていけるための土台作りでした。この 4 月からはもう大人
として自分自身で責任を持ちながら、自分で選んだ世界に必要な専門的なことを学んでい
きます。そしていずれは社会の中で自分の力で人生を築き上げていきます。今までは親御
さんが責任を持ち、学校では教職員が君達の安全を確保しながらサポートしてきました。
そこで君達に伝えておきたいことが2つあります。
1つ目は君達がこの学校に入学したときに私が話したことです。覚えていますか。そう
「夢を持とう」です。これからは自分の意志と行動で、環境が変わっていきます。そこで
必要なことは「夢」です。私の言う「夢」は、「こんな大人になりたい」「こんな仕事を
したい」という具体的な目的やイメージです。その目的に向かって工夫と努力することが、
「夢」を持つ大きな意義です。もちろんその姿は自分が輝きながら多くの人に貢献するも
のです。途中で「夢」が変わってもいい。それまでの工夫や努力は次の「夢」の土台にな
って、無駄にはなりません。
このような場所でプライベートな話しは禁物ですが、「夢」について今年 1 月に感じた
ことがあるので、話させていただきます。私は中学高校と教師になることが「夢」でした。
しかし大学に入り歴史を学ぶ内に、ますます歴史を研究したくなりました。そして大学院
で研究者になるという「夢」に変わりました。大学院修了する年に子供が 1 人できました
ので、就職するように指導教官から言われました。就職したのがこの学校です。教科にク
ラス経営に部活動に励みました。最初は就職 10 年で自分の研究をまとめて研究者にもど
るのを目的にしました。しかし教師の仕事に励んでいたら「生徒が元気になる」教師に「夢」
は変わりました。ただ大学院で学んだことは無駄になっていません。もちろん日本史を教
えるのに大いに役立っています。それだけでなく多くの視点を持つことや問題の根本的な
原因を探ることは、教師にとってもとても大切なことでした。あと数年で私も教師を引退
します。そんな今年の 1 月に読んだ本でビックリしました。大学を出て大学院に入った年
に出した初めての論文が、参考文献の中に著名な先生方に挟まれて載っていました。これ
は引退した後にどうしようか迷っていた私の背中を研究に復帰するように押してくれた感
じを受けました。「夢」を持ち続け諦めないことが自分の人生を送る大きな力になります。
ちなみに教師としての努力は、日本史を見る視野を広げてくれました。
そこで君達に伝えたいもう一つは、「努力した経験は自分の考え方一つで決して無駄に
はならない」ということです。
君達の中で中学から和洋だった生徒は、私が校長になった第 1 号の新入生でした。だか
ら和洋国府台の改革の始まりから現在に至るまでに一緒にやってきた同志です。そして高
校から入学してきた生徒は、改革を実際の形にしてきた同志です。だから今年は校長とし
てとても重要な卒業式と感じています。今までありがとう。
最後に保護者の皆様。本当にご苦労様でした。小学校 1 年生から高校 3 年生までは、お
嬢様の生活の中心が学校でしたから、学校との関わりが大きかったと思います。学校とし
てはコロナ禍の対応や少しずつ行事などを再開したことは、初めてのことばかりでご不満
に思われた方もいたでしょう。そのような中でも今日まで学校をサポートしていただきあ
りがとうございました。
高校生の時期は子供だと思っていたのが大人の面が大きくなってくる時期でもあったの
で、接し方も難しかったと思います。親にとって子供は 30 歳 40 歳 50 歳になっても、や
はりいつまでも子供です。法律的には大人扱いになりますが、まだまだ心配は尽きないで
しょう。しかしお嬢様を信じ、精神的な自立を見守ってあげてください。心配で先に「な
んやかんや」と言いたい言葉をグッと堪えて、大人になったお嬢様の良き理解者として見
守って下さい。もちろん意見を聞かれたら、人生の先輩として語って下さい。
最後にもう一度、ご卒業おめでとうございます。

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