和洋国府台女子中学校高等学校

お知らせ

和洋女子大学学長卒業式メッセージ

2021.03.10

本年度は新型コロナウイルスの影響で、高校卒業式において直接式辞を送ることができませんでしたので、ここに和洋女子大学学長からのメッセージを掲載いたします。

式辞


和洋国府台女子中学校ならびに高等学校の3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、最も成長著しい中学、高校の3年間、お嬢様を支えてこられました、ご家族の皆様、並びに関係者の皆様にも、心からお祝いを申し上げます。

この1年は新型コロナウイルス感染症に翻弄(ほんろう)されました。中学、高校の最後の年だっただけに皆さんには悔しい思いが残るのではないでしょうか。しかし、皆さんは、それぞれに工夫をして、人とのコミュニケーションが制限される逆境のなか、誰も経験したことの無い「3年生」を無事に終えられました。この1年の経験は貴重です。辛いことの多い1年だったでしょうが、この経験を次に活かして、次のステップで活躍されることを願っています。

さて、東日本大震災から10年が経過しました。今も私たちの悲しみは癒えませんが、未曽有の災害となった東日本大震災からも私たちは多くのことを学び、新たに歩み始めています。たとえば、化石燃料や原子力に依存した電力では、持続可能な社会が実現できないことがわかり、自然エネルギーを活用した電力への転換が進んでいます。他にもここ数年、台風や大雨などの異常気象による自然災害が増えています。また、海に漂うマイクロプラスティックは、自然の生態系を脅かす事態となっています。こうした問題の解決のために私たちの毎日の暮らしを変える取り組みが始められています。身近なところでは、スーパーのレジ袋を中止したのも、プラスティックに依存した暮らしにブレーキをかけるための取り組みです。

私たちは困難に遭遇してもその後、それを乗り越えるために様々な工夫をして生きています。卒業生の皆さんには、今回の感染症の拡大や自然災害などを一過性の出来事としてやり過ごすのではなく、その背景にある真実に目を向け、問題があれば、その問題を解決する力をこれから身につけていってほしいと思います。つまり、「転んでもタダでは起きないぞ」という前向きな精神を持ちづけてください。この精神は、「凜として生きる」と言い換えることができます。環境がどのように変わっても「凛とした心」があれば、変化に流されず自身の考えで歩むことができます。
皆さんの活躍を心から願って、私の式辞といたします。

和洋女子大学
学長 岸田宏司

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