和洋国府台女子中学校高等学校

お知らせ

学園理事長卒業式メッセージ

2021.03.10

本年度は新型コロナウイルスの影響で、高校卒業式において直接式辞を送ることができませんでしたので、ここに学園理事長からのメッセージを掲載いたします。

式辞


 ご卒業おめでとうございます。皆さんは今、高校3年間の楽しい思い出を胸に、新しい世界に向って、第一歩を力強く踏み出そうとして居られます。その元気一杯の皆さんへ、一言お祝いの言葉を述べさせて頂きます。

 今回はコロナ禍のために、折角の卒業式が規模を縮小し、時間も短くして行われました。さらに、毎年恒例の謝恩会も中止になりました。ともに学び、ともに生活した学友や先生方と、別れを惜しむ最後の機会であっただけに、物足りず、残念に思われた方も少なくなかった事でしょう。それもこれもコロナウイルスの所為と、恨みがましい気持ちにもなりますが、しかし悪い事ばかりではありません。新しい発見もあります。

 それはこれまで、大した影響などありはしない、と思われてきた一人ひとりの行動が社会全体に対して無視出来ないほどの原動力を持っている、という事です。今回のコロナウイルスの感染状況を大雑把に振り返ってみましょう。予想通り、感染の第一波は昨年の春に来ました。その後少し収まったものの、夏には第2波に見舞われ、秋には本格的な第3波が押し寄せました。ピークの到来は本年に入ってからでしたが、その背景には国民の気の緩みがあり、不要不急な外出や大勢の会食、更には三密によるクラスターの発生などもあったのではないかとの見方が大勢でした。

 つまり、国民の警戒心が少しでも緩むと、その隙をついてコロナウイルスが蔓延するという事が分かったのです。国民一人一人の気持ち次第で、社会全体が大きな影響を受けるという事です。自分一人位どう考えようと、どのような行動をとろうと社会の動きが変わる訳はないという考えが根底から崩されてしまったのです。

 一人ひとりの考えや行動が周りの人たちの共感を呼び、皆で心を合わせ、一つの目的に向かって行動すれば、社会全体を動かし、変えられるという事が証明されたのです。これは大変心強い事です。

 若いうちは社会における自分の小ささを意識し、無力感を禁じ得ない事が多いものですが、決して卑下する事はありません。皆さん、胸を張って堂々と歩んでください。皆さんの未来は必ず皆さんの力で切り開く事が出来ます。それこそが社会の進歩なのです。皆さんの未来は洋々と開けています。

和洋学園理事長 長坂健二郎

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