お知らせ

2023.10.12

ご退職された先生方の座談会

同窓会は「学校と同窓生」のつながりのサポートを担っています。
今回、その一環として退職された先生方の座談会を開催しました(開催日:2023年9月2日)。
座談会には、2021年度末2022年度末に退職された先生方をお招きしました。

■ご参加いただいた先生方
・大野淑恵先生(国語科)
・室岡正義先生(数学科)
・坂本玲子先生(理科)
・熊坂惠美先生(国語科)
・村越起美子先生(家庭科)
※和田伸平先生(数学)と山家良則先生(国語)はご都合により欠席でした。

■各先生方の特設ページ
各先生方のメッセージ動画を載せた特設ページを、「同窓会への連絡」ページで追加掲載しています。
※「同窓会への連絡」ページはパスワードが必要です
 パスワードは問合せフォームからお問い合わせください(和洋国府台女子高等学校同窓会会員に限る)





会長「皆様こんにちは。同窓会長を務めている上久保由紀子です。
本日は、お忙しい中の座談会にご参加いただきまして本当にありがとうございます。長年にわたり和洋学園、そして生徒に尽くされて、同窓会としまして先生方に感謝し御礼申し上げます。ありがとうございました。
本日の座談会は、退職された先生方にいろいろなお話を伺い、同窓生に伝えていきたいとの想いから企画いたしました。よろしくお願いいたします。」

先生方「よろしくお願いします。」

会長「まず、退職された状況も含めて自己紹介をお願いいたします。」



大野「大野淑恵です。在職中は国語科を担当していました。36年和洋に努めまして、今年の3月に退職し、その後引き続き1学期間だけ、非常勤講師として授業を担当しました。」

会長「今、何か趣味に没頭していたりしますか?」

大野「今まで仕事に費やす時間が多かったので、今趣味はないのですけど、自宅と実家の断捨離に着手しようとして、、、暑さを理由にほとんど進んでいない感じですね(笑)」

会長「(笑)ありがとうございます。それでは続いて室岡先生お願いします。」



室岡「数学科教員をしておりました室岡正義と申します。昭和57年4月に副担任として採用されました。国分の中学校の校舎が落成した時です。そして今年、令和5年3月に定年で退職いたしました。これまで担任、学年、生徒会、広報、教務、進路、生活といろいろな部署を経験させてもらい、またバレーボール部や数学部の顧問をさせていただきました。そんな42年間でした。」

会長「ありがとうございました。では坂本先生お願いします。」



坂本「私は正規入社では、このメンバーの中で一番古いんです。昭和56年の9月入社という変則的な形で入れていただきました。それから42年、理科の生物の教員としてお世話になりました。定年まで2年残して2021年度に一旦退職し、その後は嘱託として1年、そして今年度は週2日だけ非常勤で来ています。
退職を前に色々と考え、森林インストラクターの資格を取りまして、今その活動に携わっています。何をするかというと、一般の方々を募って野山、時には街中を歩いて、動物や植物のガイドウォークのようなことをしたり、森の中でこどもたち遊ぶような活動、じゅん菜池のような公園や里山の整備にも関わっています。
また、趣味の登山に自由に行けるようになったので、奥多摩、春の雪解けの佐渡、夏はアルプスまで、ガンガン山登りをして、アウトドア三昧の毎日です(笑)」

会長「ありがとうございました。では熊坂先生お願いします。」



熊坂「国語科に在籍しておりました熊坂です。私は2年前に退職させていただきました。教壇に立たせていただいたのは41年で、あっという間のことでしたけども時間が経ってしまいました。和洋に在籍中の27歳の時に足の病気がわかって、そこから生活が一変するようなことが多く、くじけそうになったり、気持ちも萎えたりもありました。でも先生方や生徒に助けられながら、ここまで歩んでこられたことをとてもありがたく思っており、感謝の思いでいっぱいです。」

会長「今日は他の先生方と同窓会のような感じですか?」

熊坂「そうですね。普段なかなか家から出られないものですから、嬉しいことですね。ありがとうございます。」

会長「ありがとうございました。それでは村越先生お願いします。」



村越「この3月に退職した家庭科の村越です。和洋では38年間、その前に別の私立で働いていて、トータルで42年です。退職して改めて生徒と関わっているのが好きだったんだなと、今感じています。
まだ整理はできていないのですが、退職してから自分が教員として歩んできた歴史を書き上げたり、アルバム等から昔関わった生徒を思い出したり、歩みを紐解いて整理するのが楽しみになっています。
和洋の歩みの中で家庭科の教員としてファッションテクニックス科の最後に関われたのは大きかったかなと感じています。」



会長「ありがとうございます。みなさん本当に長い間教職を務められて、多くの生徒と関わってこれらたと思いますが、卒業生から声をかけられた時に、名前や思い出は直ぐに思い出せるのですか?」

先生方「・・・名前は出てこない時もありますね(笑)でも『○○です』と言われると、記憶がパーッと繋がっていくということはよくありますよね。」

会長「そうなんですね。私も卒業生として、歳を重ねても、恩師の先生にお会いしたい気持ちはずっと持っているんですよね。」

会長「先生方は退職されましたが、和洋を退職して感じたことはありますか?」

大野「退職して家にいますと、人と関わる機会が圧倒的に少なくなってしまうんですよね。そうすると寂しい気持ちになったりするので、これまで和洋で生活する中で同僚の先生達とか生徒から、いかに色んな刺激や情報を与えてもらっていたんだということを、すごく感じています。」

会長「他の皆さんもそうですか?」

先生方「毎日いろいろなことがあって面白かったですよね(笑)」

坂本「子育てや介護等がありながらも両立して働けたのは、同僚の先生方や生徒も温かく心配りをしてくれるこどもたちであって、居心地の良い職場であったなと思います。」

会長「生徒たちは先生方に感謝していますが、先生方も生徒に感謝の気持ちでいっぱいなんですね。」

先生方「そうですね。」

会長「私たちが生徒のころは、先生方は手の届かない存在のように感じていたのですが、今回お話を伺っていると、先生方を一人の人間と身近な存在に感じます。」



会長「続いてお聞きしたいのですが、在職中の思い出はたくさんあると思いますが、その中で特に印象的な出来事を一つ上げるとすれば何ですか?」

熊坂「足の病気はあったのですが、とにかく担任を続けたいと思い、それを目標に歩んできて担任歴が32年になります。嬉しいこと、楽しいこと沢山ありましたけれども、ある年の元気で型にはまらないメンバーが集まったクラスを担任した時が印象的でした。生徒を叱ると生徒も負けじと言い返し、壮絶なやりとりの応酬もありました(笑)
ある生徒を厳しく叱ったとき、その生徒は『もう学校に来ない』といって教室を出て行ってしまったのですが、次の日、目をはらしながらきて、『私は先生のクラスで卒業したいんです・・・お願いします』という風に言われたときは、胸がとても胸が熱くなりましたね・・・
生徒が本当にこなかったらどうしようと少し不安もあったんですけど(笑)」

会長「お話を伺っていると、先生が真剣に真直ぐぶつかっていたからこそ、信頼関係ができていたんでしょうね。生徒にとってもすごく思い出深く記憶に残っているのではないかな、と感じました。
私は和洋の卒業生として思うのは、和洋の先生は本当にあったかいんですよね。卒業してから、なおさらそのように感じました。」

村越「高校生と中学生では、中学生の方がストレートに感情を出してくるので、それを受け止める労力は中学生の方が大変だったかなと思いますけど、その分強い記憶として残っています。
作品ができないと居残りをさせていたりしたのですが、先生に言われみんなでワイワイやっていると、楽しく作品が仕上がったりで、居残り大好きって生徒も多かったですね。その生徒たちは立派ですごい作品を残してくれてました。大変でしたけど良い思い出です。
あの子たちが今でも、手芸だったり、手を動かす作業を好きであってくれたら嬉しいなと思います。」

大野「家庭科は作品作りがすごく重要ですよね。以前、村越先生が指導された生徒を市川駅で見かけたんですよ。ちょうどクッションを作った時です。その子はベンチに座って、膝の上に風呂敷で包んだクッションを置いて、風呂敷を開けてはクッションをなでて、そしてしまって、また開けてなでて(笑)・・・という姿を見て、嬉しいんだという気持ちが伝わってきました。学校の教育って大事なんだなとすごく思いました。」

会長「先生の影響はすごく大きいですよね。そして先生方の思いをあらためて同窓生に伝えたいなと感じています。」

坂本「自分も和洋ではない女子校出身なのですが、まったく校風が違って校則もほとんどない、制服もないという学校だったんですね。それで和洋に来た時に、制服や髪形等こと細かに決められていることに違和感があり、その違和感を抱えながらしばらく過ごしたんです。
しかし、卒業生が和洋に顔を出してくれた時の立ち居振る舞いや態度のすばらしさ見て『あっそうだな』と思ったのは、和洋で身に着けた基本というのは、日本の伝統文化にある型をきっちり身につけることと同じで、型を身に着けたら、その後いろいろな方向に自由に花開いて個性を発揮できるということです。自分の根になるような型を身につけることは、とても強みになるということに気が付いたんです。
その時に、和洋の教育のすばらしさの一つはここにあるんじゃないかなとすごく感じたんですね。このことは長い年月和洋にいて、やっとわかったという(笑)」

大野「ある年の卒業式の時に、あるお母さんからお話を聞いたことがあるんです。そのお母さんは『うちの娘は他の学校だったら、その他大勢の子の一人でしかなかったと思うけれど、和洋だったからうちの娘の良いところを見てもらって、大切にしてもらった、和洋でよかった』と言われたことが、ずっと心に残っています。
生徒一人一人を大切にするというのが学校の校風として、生徒の様子を通じて保護者の方に伝わっているんだなということが分かって、その言葉が忘れられないですね。」



熊坂「私は和洋の卒業生ですが、高校から和洋に来たんですね。和洋に来てびっくりしたのは、丁寧さや物事の善し悪しの判断力なんですね。生徒が先生に叱られていても、先生が叱ることに対して批判するのではなく、やったことの物事の善し悪しを判別できる。そのような少し大人びているような校風がすごいなと思いました。ただ先生方のことは生徒間ではあだ名で呼んでいました(笑)
そのような世界がとっても心地よく、生徒も当たり前のように思いやりがあったんで、和洋でよかったと心から思っていました。そのような和洋の良さ素晴らしさを実感していたので、和洋に就職するきっかけになったんですね。」

大野「退職する最後の年、高校3年生の担任でした。それまで学年主任等他の担当をしており、18年ぶりの担任だったんですね。以前の担任の業務といろいろ変わっているところもあって、特に4月5月は緊張して、湿疹が出ちゃって(笑)
ただ、やっぱりクラス担任は、教員の仕事の中で根幹だなって、、、特に高3だったので、これから先の未来につながることを一緒に考えたり、悩みを聞いたりできたのが、最後本当に幸せな1年だったなと思いました。」

会長「最後の年にご苦労もなさったけど、生徒に助けられて良い思い出を作られたということですね。」

大野「本当に、生徒に助けられて、、、小平先生のお言葉をおかりすると『毎日が敬老の日』(笑)
生徒に助けられて、また頑張る生徒の応援ができて、本当に良かったなと思う1年でした。やはり卒業式を担任として見送ることは、教員としての原点に立ち返って、私自身が卒業出来て、それはすごくありがたかったです、、、皮膚科には行きましたが(笑)」

会長「卒業式に参加すると、先生方からのエールのこもった呼名は本当に感動的ですよね。どれほど先生方が生徒を思ってくれているのかは、私たち保護者でも感じることができました。保護者の皆さんは先生方にすごく感謝しています。」

会長「先生方のひとつひとつのエピソードにすごく心が動かされます。」

(座談会はまだまだ続きました。各先生方の個別のメッセージ動画は「同窓会への連絡」ページに掲載しています。)

  • 昔の写真を持ち寄り思い出話に花を咲かせる




学校を取り巻く環境が変化する中で、和洋の発展の礎としてご尽力された先生方の長年のご勤労に、心より感謝申し上げます。

  • 座談会当日の中高校舎様子

  • 座談会を行った和洋女子大学東棟16階からの展望

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